つづりと発音学習はこれまでの日本の英語学習において軽視されてきたものである。実際に指導してみるとその効果の大きさに驚くのであるが、最初の一歩を踏み出すことができずにいる教員は多い。ぜひこのサイトで紹介している内容を見て欲しいと思っている。
2004年度に関しては、1学期にスペリングクイズによる学習を実施したが、2学期以降はスペリングクイズは実施しなかった。十分理解したと考えたからである。生徒からスペリングクイズ復活の要望を聞くこともあるが、基本的に新出単語などで、予習なしでも読むことができるようになっていることを体験させている。つづりのパターンは既習語を例にすることで理解しやすくなることが多いので、指導者の側の意識も大切であると感じている。
先日、「文化」を示す culture という単語を授業で扱ったとき、この単語の特徴について生徒に尋ねてみた。私自身は picture を思い浮かべるだろうと予想していたら、最初に出てきたのは future だった。このようなプラス概念の単語が最初に出てきたことにとても喜びを感じたと同時に、やはりつづりと発音学習の持つ意味の大きさを感じたものである。ちなみにその次に出てきたのは nature で、私が頭の中で準備していた picture は最後にようやく登場した。
今後も第2学年1学期という時期にとらわれることなく、つづりと発音学習の定着を授業の中で進めていきたい。特に負担と感じる部分はないので、指導の機会を逃さないことが最も大切となるであろう。
★ PCソフトの活用について
昨今の翻訳ソフトの精度向上には驚くものがある。さらに付加的な価値がついてきたソフトウェアも多く、単に翻訳するだけのものではなく、読み上げ機能のスムーズさ、自然さは大変素晴らしいものとなってきた。私自身は今まで使用したことがなかったが、今回「コリャ英和」というソフトウェアを購入して確認してみることができた。実際に自分が作成した文章を大変自然なイントネーションで読み上げてくれるので、これはつづりと発音学習でも使うことができるように感じている。単語単独の発音の確認ではなく、文章の中での発音として確認もできるので、英語学習が進んでいくにつれて重宝する可能性がある。
最近人気の電子辞書も一部に音声対応したものが出てきているが、こういった機能は単に発音を確認するだけにとどまらず、つづりパターンの確認には大変便利である。前ページで紹介した発音表記方法はまだまだ不完全ではあるが、このように音声サポートが充実してきつつあることは英語学習において大変望ましいことである。
つづりパターンの研究ではシステムソフト社のPCソフトウェア:電子辞典シリーズは常に大きな役割を果たしてきてくれた。これは単語の一部を入力してそのつづりを含む単語を一覧で表示してくれる便利な機能があり、特定のパターンの研究では大変役に立った。指導者としてつづりと発音学習に取り組むのであれば、この電子辞典を持つことを強く推奨するものである。