指導者の方へ 4
指導上の留意点
1. 1授業あたり5分程度の活動をめざすこと
実際にこの活動を始めると生徒にとって知的好奇心をくすぐられる部分があるようで、「もう一問して!」という声を聞くことがあるかもしれません。別に絶対にだめというわけではありませんが、この活動は毎回の授業のウォーミングアップとして行うのがもっとも効果的です。実際に私が行うときは10分近くかかることもありますが、この活動が授業のメインではありません。
2. まずはE-ruleの定着
E-ruleが定着することによるメリットは意外なところにあります。それはE-ruleを逆にあてはめていくことができるということです。
例えばサイトで例示している hat は「最後にeがないから」この読み方になるということが理解できるようになります。ルールに該当する単語だけが学習の対象ではないことがわかってくると、この法則の学習意義は飛躍的に大きなものに感じられるようになるでしょう。
3. 同じ音を作り出すグループの紹介は?
例えばパソコンのキーボードにもある delete は deliet deleat deleet というつづりを英語読みしても同じ音になります。ie
ea ee が「イー」の音を作るというのは一度にまとめて紹介すると生徒にとってこの活動が負担に感じるようになりやすいように思われます。これらは生徒の解答に含まれていた場合に紹介したり、なにかのついでにそのつづりを持つ単語と一緒に紹介したり、教科書の新出単語で紹介していくことが望ましいように思います。
私の場合、この練習中は解答以外のメモは最小限しか取らないように呼びかけています。心配しなくても継続すれば身についていきます。テスト勉強のような雰囲気にはしたくありません。
4. 単語の意味は?
この活動を初めて行ったときはまだ1週間に4時間の授業がありました。ですからウォーミングアップである活動(spelling quizと呼んでいました)にたっぷり時間を取れました。当時はつづりを確認したあと、意味を私が英語で説明して、ひらめいた生徒が手を挙げて答えるようにしていました。これはわかりやすい英語を話すいい練習となりましたが、とにかく時間がかかるので現在はとてもできる状態ではありません。したがって最後に簡単に意味を説明して終わっています。でもそれで十分なのかもしれません。
5. LRの区別は?
本当はこんなこと言っているようではだめなのかもしれませんが、それほど重要ではないと考えています。これらは自分が発音するときに意識するのが最初であるべきで、この活動の中で要求するものではありません。区別できない生徒のために「LかRで迷っている人、これはRだよ」と言うことがほとんどです。単純につづりの仕組みに注意を向かせてあげたいです。
6. CSZなどは?
5で述べたことに対してこれらは大切です。seで終わるときは「ズ」になることがほとんどですが、それでもhouse や horse、スペリングクイズ向けであれば
precise のような単語もあります。この単語の場合であれば「これはsise sice cice ciseのどれだろう?」と迷うことに大きな意味があります。アルファベットの文字そのものが持っている音のバリエーションに触れる機会を生徒に与えるつもりで続けていきましょう。