城山

　地方豪族の割拠した戦国時代、小野田筑後の浜島城が有ったところと言われています。

　この城は、地方に珍しく本丸から三之丸まで完備して、英虞湾口を直下に眺め、厳然たるにらみを利かせていたようです。今はその面影は有りませんが、この小高い丘に上がって海上を見下ろすと、当時の海賊達の縁が忍ばれます。

　その後、志摩一円は九鬼嘉隆の基に結束が図られ、浜島はその家臣、九鬼豊後の所領として統治されたと言うことです。

　九鬼嘉隆は、志摩の海賊集を束ね九鬼水軍を作り織田信長に仕へ、織田に九鬼水軍有りと有名を馳せました。豊臣秀吉の代には、朝鮮出兵の為に日本丸を建造して華々しく働きました。日本丸の艦首の竜頭は、町内から切り出された楠の木で造られたと言うことです。