薬師堂

 明王寺薬師堂と称し、真言宗醍醐派に属する。本尊は、南北町時代の作と推定されている薬師如来座像である。

 この薬師如来の縁起によれば、永録四年、万里の波濤を漂い田曽の浜に上がったが、重くて手が付けられなかった。そのまま南張の浜に流れ付いたので、村人が揚げようとしたが、海底に根が生えたように動かなかった。

 さらに浜島の塩鹿浜に流れ付いたので、村人が浜辺に出迎えて引き揚げたところ軽々と揚がってきた。人々は大変喜び、ここにお堂を建てておまつりするようになったと言うことです。

 今では毎年一月十二日と、十月十二日の日に修験山伏を招いて、大漁満足、商売繁盛、家内安全等、諸々の祈祷を行なった後、火渡りの式が行なわれ善男善女で賑わいます。

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